ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングって何が違うの?
投資におすすめなのはどっち?
近年、注目を集めている投資サービスに「不動産クラウドファンディング」と「ソーシャルレンディング」が挙げられます。
どちらも少額から投資できるなど魅力があり、検討している方もいらっしゃるでしょう。
それぞれ仕組みやメリット・デメリットが異なるので、違いを理解したうえでみなさんに合ったサービスを選ぶことが大切です。
とはいえ、両者の違いがよく分からないという人も多いかと思います。
この記事では、不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディングの違いを徹底的に調査し分かりやすく紹介します。
不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディングの違い
不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディングの大きな違いは、投資対象が不動産か、融資かという点です。
不動産クラウドファンディングは、投資対象はマンションやホテル・学校など様々ありますが、全て不動産です。
一方、ソーシャルレンディングはお金を借りたい人に資金を提供するサービスです。
提供された資金が不動産に活用されることもあれば、別の事業に活用されることもあります。
また、不動産クラウドファンディングは、運営会社も投資家と一緒に出資する共同出資のシステムがあります。
しかし、ソーシャルレンディングには共同出資のシステムがありません。
そのため、不動産投資クラウドファンディングのほうが安全性を高める仕組みが整っている場合が多いです。
とはいえ、不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディングに明確な優劣はありません。
それぞれにメリット・デメリットがあるので違いを理解して自分に合ったサービスを選ぶことが大切です。
不動産クラウドファンディングとは?
不動産クラウドファンディングはその名の通り、出資金の用途が不動産の運用に特化しています。
集めた資金をもとに運営会社が不動産を購入・運用することで、その利益が出資者に分配される仕組みです。
運用期間終了時には、物件が売却され売却金が出資者への償還金に充てられます。
ソーシャルレンディングとは?
ソーシャルレンディングは、貸付型のクラウドファンディングです。
お金を借りたい人と貸したい人を結び付けるサービスで、投資家から集めた資金を企業やプロジェクトに貸し付け、利子などを得ます。
ソーシャルレンディングの大まかな仕組みは以下のとおりです。
ソーシャルレンディングの仕組み
- 運営会社が投資家から資金を募る
- 募った資金を借り手の企業などに融資する
- 融資に対して支払われた利息が分配金として投資家に支払われる
- 借り手企業が融資を返済し、投資家は元本の償還を受ける
不動産投資クラウドファンディングでは、投資家のお金は不動産の購入に充てられるのに対し、ソーシャルレンディングは貸付に充てられます。
貸付した資金で借り手企業が不動産を購入するファンドもあるため、不動産クラウドファンディングと混同されがちです。
しかし、借り手企業が資金をどう使うかはファンドによって異なり、不動産購入だけではありません。
不動産クラウドファンディングのメリット・デメリット
ここでは、不動産クラウドファンディングのメリット・デメリットについて紹介します。
メリット①:少額から不動産投資できる
不動産クラウドファンディングの多くは1万円から投資できます。
実際の不動産に投資しようとすれば、ローンを組んで数千万円や億単位の資金で不動産を購入する必要があります。
運用中もローンの返済や修繕費など年間で数十万円や100万円以上の資金が必要になるでしょう。
不動産投資は高額な資金が必要になることから、投資初心者や資金の少ない人にはハードルが高いと言えます。
対して、不動産クラウドファンディングなら少額から不動産に投資できます。
さらに、不動産クラウドファンディングでは投資する不動産を自分で選べるという魅力もあります。
ファンドごとに対象の不動産の情報が公開されているので、不動産について理解したうえで納得して投資可能です。
メリット②:手間がかからない
実際の不動産を購入して運用しようとすると、さまざまな手間がかかってきます。
入居者の募集や選定・賃料管理に物件の維持など、管理会社に委託できるとはいえ手間や費用がかかるものです。
その点、不動産クラウドファンディングでは不動産を運用するのは運営会社のため、手間がかかりません。
投資自体もスマホのみの簡単な手続きで完結するので、とても簡単に投資できるのです。
投資の手間や時間が掛からないので、本業に忙しい人でも投資しやすいです。
メリット③:投資家を守る仕組みが整備されている
多くの不動産クラウドファンディングでは、投資家を守る仕組みとして「優先劣後出資」「マスターリース契約」のようなものがあります。
不動産クラウドファンディングは、運営会社も共同で出資するシステムを採用しています。
「優先劣後出資」は、万が一損失が出た場合、運営会社の出資分(劣後)から先に補填されるのです。
ソーシャルレンディングにはこの優先劣後のシステムがないので、損失が出るとそのまま投資家の元本に影響が出てしまうのです。
「マスターリース契約」とは、不動産を不動産会社が一括借り上げする契約です。
マスターリース契約をしておくことで空室の有無にかかわらず不動産会社から一定の賃料を得られるのです。
このような仕組みが整っており安全性が高いという点が、不動産クラウドファンディングの魅力と言えるでしょう。
デメリット①:大きな利益は狙えない
不動産投資クラウドファンディングは比較的利回りが高めです。
しかし、少額から投資できることから大きな利益は狙いにくいというデメリットがあります。
株式投資やFXなら、短期間で大きな利益を狙えるという魅力がありますが、失敗時の損失も大きいです。
一方、不動産クラウドファンディングは大きな利益こそ狙えないですが、安定してコツコツ利益を得ることには向いています。
長期視点で資産形成したいという人には、不動産クラウドファンディングが適しています。
デメリット②:途中解約できない
ほとんどの不動産クラウドファンディングサービスでは、一度投資すると運用期間中は解約して現金化できません。
運用期間はサービスによっても異なりますが、3ヵ月から長いものでは2年や3年という場合もあります。
その期間、急に現金が必要になっても対応できない点には注意が必要です。
とはいえ、急な資金の必要性にも対応できるように、投資は余裕資金でするのが基本と言えます。
デメリット③:元本保証はない
不動産クラウドファンディングに限りませんが、投資は元本保証がありません。
安全性の高い仕組みが整えられていると言っても、何かしらリスクはあるものです。
投資前には、ファンドの情報をしっかりと確認するだけでなく運営会社の経営状態も確認することが大切です。
また、元本割れなどの実績を公開しているサービスを選ぶとより安心して投資しやすくなるでしょう。
手間なく少額から投資できる不動産クラウドファンディングですが、実際に自分のお金を投資するのでお金を守るための情報収集は怠ってはいけません。
ソーシャルレンディングのメリット・デメリット
ここでは、ソーシャルレンディングのメリット・デメリットについて紹介します。
メリット①:安定した利益を得られる
ソーシャルレンディングの分配金は利息分から支払われます。
利息は貸付時点で決定し、貸付期間中に変動することは基本的にありません。
期間終了後は借り手企業から融資金が返済されるので、元本割れのリスクも少ないでしょう。
メリット②:手間がかからない
ソーシャルレンディングも投資後は、運用終了まで放置できます。
価格変動がないため、株式のようにチャートをチェックする必要はありません。
投資後は分配金を待つだけなので、忙しい人やチャートのチェックなどの手間を掛けたくない人におすすめです。
メリット③:少額から好きな事業に投資できる
ソーシャルレンディングも多くのサービスで1万円から投資可能です。
中には1円から投資できるサービスもあるので、少額から投資したい人におすすめと言えるでしょう。
デメリット①:途中解約できない
不動産クラウドファンディング同様に、ソーシャルレンディングも途中解約できません。
運用期間が長いものも多いため、すぐに現金化できない点に注意して投資判断するようにしましょう。
デメリット②:元本保証がない
ソーシャルレンディングも投資である以上、元本保証はありません。
貸付先の企業の経営悪化や倒産で貸し倒れしてしまうと、元本が返ってこない可能性があるのです。
また、保証なし案件や担保なし案件も多くある点にも注意しましょう。
デメリット③:早期償還のリスクがある
早期償還とは、満期日よりも前に返済されることです。
早期償還されることで、貸し倒れのリスクを下げられますが、早く償還されるとその分利息が減少します。
想定していた配当金よりも少なくなる可能性や、予定よりも早く次の投資先を探さなければならないなどのデメリットがあるので注意しましょう。
おすすめの不動産クラウドファンディング会社
ここでは、おすすめのクラウドファンディング会社を全部で3つ紹介します。
アセクリ(ASSECLI)
ジャンル | 不動産 |
最低投資額 | 1万円~ |
運営会社 | 株式会社エボルゾーン |
公式サイト | アセクリ公式サイト |
「アセクリ(ASSECLI)」は、株式会社エボルゾーンが運営する不動産投資型クラウドファンディングサービスです。
2019年10月にサービスを開始し、主に1万円から始められる少額投資が特徴です。
不動産特定共同事業法の改正を契機にスタートし、手軽に不動産投資ができることを目的としています。
アセクリの主な特徴は、年利4~8%の想定利回りや、運用期間が3~12か月と比較的短期間である点です。
また、投資先として収益性の高い不動産物件を選定し、リノベーションや修繕による付加価値向上を行う「再生ファンド」に注力しています。
ゴコウファンド
ジャンル | 不動産 |
最低投資額 | 1万円~ |
運営会社 | 五黄不動産 |
公式サイト | ゴコウファンド公式サイト |
ゴコウファンド(五黄ファンド)は、不動産クラウドファンディングを手掛ける会社で、主に関西や九州地域の商業ビルや空き家のリノベーション案件に投資を行っています。
最低1万円から投資が可能で、初心者にも始めやすい仕組みが整っています。
特徴として、優先劣後出資方式を採用しており、元本保護の仕組みが組み込まれている点が挙げられます。
劣後出資割合は案件によって異なり、10%から40%程度となっています。
投資タイプとして、元本を運用終了時にまとめて返還する「元本一括返還型」と、元本と利益を均等に分配する「元利均等返還型」があり、ライフプランに合わせて選択が可能です。
ファンドの利回りは3~6%程度で、長期運用型が多いのも特徴です。
DARWIN Funding
ジャンル | 不動産 |
最低投資額 | 1万円~ |
運営会社 | ダーウィンアセットパートナーズ株式会社 |
公式サイト | DARWIN Funding公式サイト |
DARWIN Fundingは不動産クラウドファンディングサービスで1万円から投資可能であり、専門知識がなくても始められるため初心者にも適しています。
少額投資が可能でリスクを抑えつつ投資を始められる点や、安定した高利回りが期待できるため資産運用に適している点が主なメリットです。
また、不動産に関する専門知識がなくても簡単に投資ができるため、多くの投資家に支持されています。
興味があれば、ぜひ検討してみてください。
おすすめのソーシャルレンディング会社
ここでは、おすすめのソーシャルレンディング会社を全部で3つ紹介します。
Funvest
ジャンル | 貸付型 |
最低投資額 | 10万円~ |
運営会社 | Fintertech株式会社 |
公式サイト | Funvest公式サイト |
Funvest(ファンベスト)は大和証券グループとクレディセゾングループが共同で運営する貸付型クラウドファンディングサービスであり、信頼性と安全性が高く、厳格な審査体制が整っています。
国内外の魅力的なファンドに投資できるため分散投資が可能であり、為替変動リスクを軽減するためのヘッジが設定されているファンドもあります。
運用期間は3ヵ月から12ヵ月と短期間で流動性が高く、Amazonギフトカードなどの特典が付いたファンドも提供されているため、投資の楽しみが増えます。
これらの特徴により、Funvestは安心して投資を始めることができるサービスです。
CAPIMA
ジャンル | 貸付型 |
最低投資額 | 1万円~ |
運営会社 | アバンダンティアキャピタル株式会社 |
公式サイト | CAPIMA公式サイト |
「CAPIMA(キャピマ)」は、2022年にサービスを開始した融資型クラウドファンディング事業者で、「投資の民主化」を掲げています。
この理念のもと、投資初心者から経験者まで公平に利用できる投資商品を提供し、利回り6~8%を目指す案件を主に取り扱っています。
運用期間は約1年程度が多く、これまでに15件の案件が無事償還されています。
CAPIMAの特徴の一つは、「特別優待案件」の提供です。
特定の金額以上を投資した場合、金銭リターンに加え、飲食店のクーポンや地域特産品などの優待を受け取れる仕組みを導入しています。
これにより、投資家と融資先の双方にメリットを提供し、Win-Winの関係を築いています。
オルタナバンク
ジャンル | 貸付型 |
最低投資額 | 1万円~ |
運営会社 | SAMURAI証券株式会社 |
公式サイト | オルタナバンク公式サイト |
オルタナバンクはSAMURAI証券株式会社が運営するクラウドファンディングサービスで、特に貸付型ファンドを中心に提供しています。
このサービスでは1万円という少額から投資が可能で、投資初心者でも始めやすいのが特徴です。
また、提供されるファンドは国内外の企業貸付、不動産担保ローン、社債購入資金ローンなど多岐にわたります。
オルタナバンクの大きな特徴は投資案件の選定基準が厳しく、元本償還率が高い実績を持つ点です。
2024年時点では貸倒れ実績がないとされており、安全性を重視する投資家に向いています。
さらに、利回りが6~8%と比較的高い案件が多く、分配金の安定性が魅力です。
まとめ
この記事では、不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディングの違いを徹底的に調査し分かりやすく紹介しました。
どちらも少額から手間を掛けずに投資でき、初心者にもおすすめの投資方法です。
この記事が、みなさんの投資をはじめるきっかけとなれば幸いです。
30代前半のIT企業営業男性がクラウドファンディングで投資を開始し、資産形成や将来の知識共有を目指します。