「NISAで月1万円の積立投資をしても意味ない?」
「少額投資で利益は期待できない?」
と、心配になっている人も多いのではないでしょうか。
NISAとは金融機関によっては100円から積立投資ができる少額投資非課税制度のことです。
月1万円など、少額で積立投資をした際、長期運用を行うことで効率よくお金を増やすことが期待できます。
本記事では「NISAは月1万円、少額で始めても意味ない?」と不安に思っている人に向けて、少額投資を行った際のシミュレーションや、少しでも利益を増やすためにおさえておきたい運用のポイントなどをわかりやすく解説します。
NISAは100円から利用できる少額投資非課税制度
NISAとは、2014年から開始された少額投資非課税制度のことをいいます。
通常、投資で得た配当金や譲渡益には20.315%の税金がかかります。
例えば、上記図のように投資元本120万円に対し配当金20万円、譲渡益30万円の計50万円の利益を得た場合、通常であれば約10万円の税金が課税されます。
しかし、NISA口座を通じて投資をすれば利益に対する税金が非課税になり、50万円の利益をそのまま受け取ることができます。
また、NISAはネット証券を中心に100円から投資を始められるため、初心者でも気軽に投資を始められると人気を集めています。
新NISAと旧NISAの違い
新NISAと旧NISAの主な違いは3つあります。
1つ目に、新NISAでは投資枠の併用が可能になりました。
2023年までの旧NISAでは、一般NISA、もしくはつみたてNISAのどちらかしか利用できませんでした。
そのため、まとまった資金があり、投資経験がある人は一般NISAを、投資初心者で少額から投資を始める人はつみたてNISAを選ぶ傾向がありました。
次に、新NISAでは年間投資可能額の増額と生涯投資上限額の新設がされました。
新NISAでは、成長投資枠とつみたて投資枠の年間投資上限額が以下のように増額します。
年間投資上限額の変化
- 成長投資枠…120万円から240万円へ
- つみたて投資枠…40万円から120万円へ
また、新NISAでは「生涯投資上限額」が新設され、一生涯を通して投資金額1800万円までであれば、非課税での投資・運用が可能となります。
そして、新NISAでは非課税保有期間の無期限化、投資可能期間が恒久化されました。
旧NISAでは、非課税保有期間を一般NISAで5年間、つみたてNISAは20年間、投資可能期間は2023年までと期間に制限がありました。
新NISAでは投資可能期間が恒久化され、いつでもNISAを始めることが可能です。
さらに、非課税保有期間も無期限化されたため、一生涯を通した運用が可能です。
NISAで月1万円積み立てても意味ない?
NISAは少額からでも利用できる投資制度ですが、毎月1万円を積立投資したら、将来の利益はいくらになるのでしょうか。
NISAで利益が出る仕組みを理解しつつ、シミュレーションしていきましょう。
NISAで積立投資をした時、利益が期待できる理由
まず、NISAで利益が期待できる理由について見ていきましょう。
運用益が非課税
通常、運用で得た分配金などの利益には20.315%の税金がかかります。
そのため、再投資する際は分配金から税金分を引かれた金額が再投資されます。
しかし、NISA口座を活用すれば分配金を非課税で受け取ることができるため、利益をそのまま再投資に回すことができます。
運用で得た利益を非課税で受け取れることで、より効率的な投資・運用が実現可能となります。
複利効果を得ることができる
NISAを通じて積立投資を行う場合、選択できる主な商品は金融庁が定めた「分配頻度が少ない」などの要件をクリアしたものになります。
分配頻度が少ない投資信託のメリットは、運用で得た利益を分配金として支払わず、再投資に回すことで積極的に資産を増やす期待ができる点、「複利効果」を期待できる点です。
月1万円で将来いくらになるかシミュレーション
月1万円を想定利回り3%で運用した場合、運用期間10年で投資元本120万円に対して運用収益が19万4480円、合計で資産は139万4480円となります。
運用期間20年の場合は、投資元本240万円に対して運用収益86万8544円、資産は326万8544円となります。
さらに30年運用すると、投資元本360万円に対して資産が578万7130円になります。
運用期間が長くなるほど、複利効果が発揮され投資元本に対する運用収益の増え方が大きくなっています。
月1万円で目標額まで何年かかるかシミュレーション
月1万円の積み立てで目標金額を貯めるまでに必要な運用年数は、想定される運用時の年率によって異なります。
仮に100万円を貯めるとして、想定利回りが3%の場合で約8年、6%の場合で約7年を要する計算となっています。
運用利回りが高い方が目標金額に達するまでの時間は短くなります。
NISAのベストな積立金額の決め方
投資を始める際は、何のために投資をするかの「目的」といつまでにお金を貯めたいかの「目標達成の時期」を明確にしておきましょう。
例えば、「老後資金3000万円を65歳になるまでの30年間で貯めたい」などです。
目的と目標達成の時期が決まれば、自ずと目標金額と準備するまでの運用年数がわかります。
仮に、老後資金3000万円を30年で貯めるという目標ができた場合、預金積立で準備する場合は毎月約8.3万円を積み立てする必要があります。
一方で、積立投資の場合は、年利3%で毎月約5.2万円、年利6%で毎月約3.1万円の運用で準備ができる可能性があります。
積立金額の変更はいつでも可能
NISAの積立金額はいつでも変更ができます。
家計の事情などから積立が厳しくなった場合は、月々の積立金額を減らすことが可能です。
また、積立自体が厳しい場合も、積立設定を解除すれば積立を停止することもできます。
仮に積立を解除しても、今までの資産についてはそのままNISA口座内で保有し運用を続けることができます。
積立金額1万円でもNISAを利用するメリット
NISAは運用から得た利益に税金がかからないため、効率的に資産を増やしていくことが期待できます。
そのため、積立金額が少額であっても、NISAを活用して長期で資産運用を行うメリットは大きいといえるでしょう。
あらためて、NISAの主なメリットについて、詳しく見ていきましょう。
利益から税金が引かれない
通常、運用で得た分配金や譲渡益などの利益には20.315%の税金が課されます。
例えば、10万円で購入した投資信託が売却時に20万円に値上がりしていた場合、利益10万円に対して約2万円の税金がかかります。
しかし、NISA口座を通じて投資した場合は、運用から得られる利益に対して税金が一切かかりません。
運用から得られる利益の金額の大小に関係なく、利益をそのまま全額受け取れる点はNISAの魅力のひとつです。
低コストで運用ができる
NISAのつみたて投資枠で購入できる投資信託は、金融庁が定めた一定の基準を満たしたものと限定されています。
一定の基準の中には
・購入時にかかる販売手数料が0円
・運用期間中にかかる信託報酬が一定以下のもの
などの要件が含まれており、低コストで運用できることを前提にした商品がラインナップされています。
長期運用を前提とした場合、運用コストの高さは将来の運用成果にも大きく影響します。投資を始めるにあたり、あらかじめ低コストで運用できる商品が厳選されているのは、大きなメリットでしょう。
いつでも売却・引き出しができる
NISA口座内で保有している資産は、いつでも売却して現金化できます。
比較的気軽に売却して現金化できるため、急にまとまったお金が必要になった時に、NISA口座内の資産を取り崩して充てることも可能です。
まとめ
NISAを始めたいけれど、毎月少額しか投資できないと悩んでいる人も多いかもしれませんが、少額からでも可能な限り早めに始めると良いでしょう。
将来大きな資産を築く際に大切なのは投資金額ではなく「投資期間」です。
例えば、毎月1万円の積立投資でも、想定利回り3%で30年間運用すれば578万7130円、6%の場合は974万5130円の資産ができます。
投資は長期間続けることで複利効果を活かし、資産を大きく増やすことが期待できます。また、運用期間が長ければリスクを抑えた安定的な運用も期待できます。
毎月大きな金額を投資できない方も、まずは少額からコツコツと積立投資を始めてみることをおすすめします。
30代前半のIT企業営業男性がクラウドファンディングで投資を開始し、資産形成や将来の知識共有を目指します。