クラウドファンディング投資は、新規事業や将来性のあるベンチャー企業を手軽に応援できる仕組みとして注目されています。
案件にもよりますが、1万円程度の少額から未上場企業発行の株式やファンドに投資することが可能で、預金より高い利息や分配金などのリターンを狙うことができます。
一方、未上場企業への投資における元本割れ・倒産などのリスクは上場企業よりも高くなるため、クラウドファンディング投資の特徴をしっかり把握してから投資先を慎重に選ぶことが大切です。
この記事では、クラウドファンディングは本当に稼げるのか?投資の主な特徴や種類、メリット・デメリットについて詳しく解説します。
クラウドファンディング投資について・本当に稼げるの?
クラウドファンディングとは、インターネット上で広く資金提供を募ることができる仕組みで、クラウドファンディング投資では個人や未上場企業、特定の事業に対して投資したり、資金を貸し付けたりすることができます。
クラウドファンディングの種類には「投資型」と「非投資型」があり、投資型はさらに「融資(貸付)型」「不動産クラウドファンディング」「株式型」などに分かれています。
また非投資型には「寄付型」「購入型」などがあります。
なお、寄付型と購入型は基本的にリターンを求めないタイプとなるため、これらを除いた投資型を利用するのが「クラウドファンディング投資」となります。
一般的に、稼げると言われているのは投資型クラウドファンディングです。
融資型クラウドファンディングについて
融資型クラウドファンディングは「ソーシャルレンディング」とも呼ばれ、プラットフォームの運営企業が「お金を借りたい人」と「お金を貸したい人」をマッチングさせる仲介サービスです。
投資家は資金調達をしたい企業に少額資金を融資し、リターンとして元金の返済と利息を受け取ることができます。
案件や事業内容にもよりますが、担保付きで10%以上の高利回り案件を選べるサービスもあります。
融資型では投資家と運営事業者との間で匿名組合契約を結び、借り手となる企業や個人に融資を実行します。
なお、投資家の出資元本や利子は保証されるものではなく、融資先の経営状況によっては返還されないこともあるので、注意が必要です。
融資型クラウドファンディングのメリット
融資型クラウドファンディングのメリットは「高い利回りが期待できる」「貸付のため元本価格・利回りが変動しない」点です。
サービスやファンドによって利回りは異なりますが、年利2%程度のものから年利10%を超えるものまであるのが、貸付型クラウドファンディングの特徴です。
また、融資型クラウドファンディングは投資家から集めた資金を企業に融資し、企業が返済する利子を原資に投資家への分配金が支払われる仕組みであるため、投資家の出資金を集めた元本価額・利回りが変動することはありません。
元本棄損リスクや返済遅延のリスクはありますが、株式投資などと比較してリターンの予測が立てやすいという点はメリットとなります。
融資型クラウドファンディングのデメリット
融資型クラウドファンディングのデメリットは「遅延や貸し倒れの恐れがある」「途中解約・換金はできない」「事業者の倒産リスクが伴う」点です。
融資型クラウドファンディングは金利収入を得る仕組みであるため、高利回りの案件ほど融資先の返済負担が大きくなり、返済遅延や元本棄損リスクが高まるという特徴があります。
利回りだけでなく、リスクとリターンのバランスをとった投資方法を検討しましょう。
また、融資型クラウドファンディングは貸付を行っているため途中解約することが出来ません。
また、融資先の企業が倒産してしまうなどのトラブルが発生すると、融資元本が返済されないなどのリスクもあります。
不動産クラウドファンディングについて
不動産クラウドファンディングは、少ない資金からの不動産投資が可能な投資方法です。
不動産投資では、数千万円~数億円の物件を実際に所有し、運用するといった手間がかかります。
一方で、不動産投資型クラウドファンディングでは物件の取得費を小口化し、複数の投資家の資金を活用して運用されるため、少額資金でも投資ができるという点が大きな特徴です。
収益は不動産を賃貸に出して得られる賃料収入(インカムゲイン)と、売却時に得られる売却益(キャピタルゲイン)の2種類があります。
不動産クラウドファンディングの利回りは、基本的に賃料収入だけでなく売却益も含めた表記になっており、高利回りの案件も少なくありません。
不動産クラウドファンディングのメリット
不動産クラウドファンディングのメリットは「1万円などの少額資金で不動産へ間接的に投資ができる」「不動産運用・管理については事業者へ任せられる」「利回り3~20%などの高い収益を見込むことが出来る」点です。
不動産クラウドファンディングサービスの多くは1万円などの少額資金で投資が可能です。
また、不動産投資は物件を取得した後の運用・管理が重要になりますが、不動産投資型クラウドファンディングは、不動産管理のプロである事業者がこれらの運用・管理について行うため、投資完了後の投資家側で配慮するべきことはありません。
適切な管理が行き届いていないと物件の収益性を下げてしまったり、建物の傷みによって老朽化が進んでしまうリスクをプロに委任できるという点は不動産クラウドファンディングの大きなメリットと言えます。
不動産クラウドファンディングのデメリット
不動産クラウドファンディングのデメリットは「不動産の収益性によっては元本割れが発生する可能性がある」「換金性・流動性が低い」「人気の案件には応募が殺到する」点です。
不動産クラウドファンディングは実物の不動産へ間接的に投資する方法であるため、不動産の収益性が想定よりも低かったり、災害などによって毀損してしまうなどのリスクがあります。
特に売却益(キャピタルゲイン)を重視したファンドであるほど、リスクが高くなるため注意が必要です。
その他、不動産クラウドファンディングに投資した後は、途中解約したり、権利を譲渡することが難しいという点もデメリットと言えます。
一部のサービスでは途中解約・譲渡に対応しつつありますが、株式投資のように売買が一般化されておらず、換金性・流動性の向上が期待されているポイントとなっています。
株式型クラウドファンディングについて
証券会社を通じて上場株式に投資する株式投資とは異なり、株式型クラウドファンディングでは未上場企業が発行する株式を取得します。
リターンとしては業績等に基づいた配当が出資額に応じて受け取れるほか、将来のIPO(取引所への株式上場)やM&A(事業の売却等)による売却益などを狙うこともできます。
なお、株式型で投資できる金額には上限があり、同一の会社が発行する株式につき1年間で50万円以下となります。
また、未上場株式は流動性や換金性で著しく劣るので、売りたいときに売ることができないといった可能性に注意も必要です。
株式型クラウドファンディングのメリット
株式型クラウドファンディングのメリットは「将来的に大きな利益が期待できる」「税制上の優遇措置を受けられる」「企業の成長を間近で見ることができる」点です。
株式型クラウドファンディングは未上場企業への投資になるため、その企業が大きく発展すれば将来的に大きな利益が期待できるというメリットがあります。
大手企業に買収・合併されれば、株式の価値も大きく上昇することがあります。
その他、スタートアップ企業に投資を行うと、「ベンチャー投資促進税制(エンジェル税制)」という税制上の優遇措置を受けられる場合があります。
株式型クラウドファンディングのデメリット
株式型クラウドファンディングのデメリットは「元本割れのリスクや倒産リスクが大きい」「IR情報などが少ない」「収益実現に時間がかかる」点です。
株式型クラウドファンディングは、他のクラウドファンディング投資と比較してもハイリスクな投資方法です。
スタートアップ企業は会社の規模も大きくなく、まだ経営基盤が十分に確立されていないことなどから、経済・景気動向の変化による経営悪化や倒産などのリスクを伴います。
株式の価値が低下、または0になり元本割れを起こす可能性があります。
また、上場企業などと比べると決算数値や事業に関する情報が少なく、投資判断に必要な情報が揃わないケースや、不十分になってしまうリスクもあります。
また、収益実現に時間がかかるという点もデメリットです。
未上場企業から取得した株式を現金化したい場合、投資先企業に株式等の譲渡の承認を得たうえで、自分で買い取り先の個人や法人を見つけるしかありません。
また投資先企業に対して株式の買い戻しを願い出たとしても、買い取られることはまずありません。
そのため、保有期間中に利益が出ないことがあるということは、投資を行う上での注意点となります。
おすすめのクラウドファンディング会社5選
ここでは、おすすめのクラウドファンディング会社を全部で5つ紹介します。
アセクリ(ASSECLI)
ジャンル | 不動産 |
最低投資額 | 1万円~ |
運営会社 | 株式会社エボルゾーン |
公式サイト | アセクリ公式サイト |
「アセクリ(ASSECLI)」は、株式会社エボルゾーンが運営する不動産投資型クラウドファンディングサービスです。
2019年10月にサービスを開始し、主に1万円から始められる少額投資が特徴です。
不動産特定共同事業法の改正を契機にスタートし、手軽に不動産投資ができることを目的としています。
アセクリの主な特徴は、年利4~8%の想定利回りや、運用期間が3~12か月と比較的短期間である点です。
また、投資先として収益性の高い不動産物件を選定し、リノベーションや修繕による付加価値向上を行う「再生ファンド」に注力しています。
FUNDINNO
ジャンル | 株式 |
最低投資額 | 10万円~ |
運営会社 | 株式会社FUNDINNO |
公式サイト | FUNDINNO公式サイト |
FUNDINNO(ファンディーノ)は日本初の株式投資型クラウドファンディングプラットフォームであり、個人投資家が少額からベンチャー企業に投資できる点が特徴です。
10万円程度から投資が可能で初心者でも参加しやすく、特定の企業に投資することでエンジェル税制の適用を受けられる場合があります。
投資した企業の成長を直接感じることができ、エグジット(上場や売却)時には大きなリターンが期待できる点も魅力です。また、医療、IT、フードテックなど多様な分野のベンチャー企業に投資が可能であり、将来性のある企業への投資を希望する個人投資家にとって非常に魅力的なプラットフォームとなっています。
ゴコウファンド
ジャンル | 不動産 |
最低投資額 | 1万円~ |
運営会社 | 五黄不動産 |
公式サイト | ゴコウファンド公式サイト |
ゴコウファンド(五黄ファンド)は、不動産クラウドファンディングを手掛ける会社で、主に関西や九州地域の商業ビルや空き家のリノベーション案件に投資を行っています。
最低1万円から投資が可能で、初心者にも始めやすい仕組みが整っています。
特徴として、優先劣後出資方式を採用しており、元本保護の仕組みが組み込まれている点が挙げられます。
劣後出資割合は案件によって異なり、10%から40%程度となっています。
投資タイプとして、元本を運用終了時にまとめて返還する「元本一括返還型」と、元本と利益を均等に分配する「元利均等返還型」があり、ライフプランに合わせて選択が可能です。
ファンドの利回りは3~6%程度で、長期運用型が多いのも特徴です。
Jointα(ジョイントアルファ)
ジャンル | 不動産 |
最低投資額 | 10万円~ |
運営会社 | 穴吹興産株式会社 |
公式サイト | Jointα公式サイト |
東証一部上場企業である穴吹興産株式会社が運営する「Jointo α(ジョイントアルファ)」です。
西日本で最大規模のマンション開発の実績を持つ東証スタンダード上場企業が運営しているため、安心感があります。
最低投資金額は10万円からと他の投資型クラウドファンディングと比べるとやや高めですが、その分競争相手が少ないというメリットもあります。
期待利回りは3~6%で、3%台のファンドが多いことから堅実な運用が期待できるでしょう。
ヤマワケエステート
ジャンル | 不動産 |
最低投資額 | 1万円~ |
運営会社 | ヤマワケエステート株式会社 |
公式サイト | ヤマワケエステート公式サイト |
ヤマワケエステートは、不動産投資型クラウドファンディングサービスです。
高利回りの案件が多く、短期運用のファンドが多い点が挙げられます。
最低投資金額は1万円から可能で、少額から始められるのも魅力です。
過去の実績として元本割れがない点も安心材料となります。
メリットとしては、高いリターンが期待できること、幅広い不動産に投資できること、そして募集頻度が高いため投資機会が多いことが挙げられます。
これにより、投資家は多様な選択肢から自分に合った投資を行うことができます。
まとめ
今回は、クラウドファンディングは本当に稼げるのか?投資の主な特徴や種類、メリット・デメリットについて詳しく解説しました。
クラウドファンディングは少額から投資可能であり、十分に稼ぐことが可能です。
一方、少なからずリスクは伴うので、投資先は慎重に選びましょう。
この記事が、みなさんのクラウドファンディングをはじめるきっかけとなれば幸いです。
30代前半のIT企業営業男性がクラウドファンディングで投資を開始し、資産形成や将来の知識共有を目指します。